2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

あぽぺん

とにもかくにもこの世にはペンが多すぎる。LOFTの文房具売り場は、文房具の体積に対して広すぎないか。書くことが生活に占める割合は大きいと思うが、だからこそ文房具売り場はシンプルで良い。カラーペンはともかくとして、ボールペンはジェットストリーム…

父さんみたいになりたかった

血の繋がらない父と、初めて出会ったのは小学校三年生の時だった。 父は、「気にしない気にしない」と「まあいっか」が口癖で、明るく快活な、人によく好かれる人だ。ぼくは、自分の気持ちをうまく話せず、引っ込み思案で、おまけにずっと一人っ子だったのも重な…

短歌12首『鈍行』

生活に必要のないものを売る 命もひとつの持ち物である 花の名がわからなくとも戦った痛みを覚えている 歌人だ 笑うのがうまくなるほど笑うのがかなしくなってうるさい駅だ からっぽだ ペヤングで膨れた腹と十円玉で膨れた財布 星を見る 時にぼくらは両の目…

正義を定義することは正義ではないぞ

現実に打ちひしがれて、それでも夢を見ようとするのが本当の夢見がちだ。 どうにかなるさじゃどうにもならないから、じゃあ僕はどうすんのって考えるのが本当の前向きだ。 汚れた心に気付き恥じることが本当の純粋さだ。 敵や味方という概念こそが敵だ。 物…

ピンクのチーク

放っていて少し伸びすぎた髪を無理くり束ねて、パーカーを羽織る。引越して間もない部屋のドアを開ける。環七に出た僕のすっぴんの頬を撫でてゆく風は、まだ冷たいながらも春めいていた。 コンビニの棚はピンクに染まっていて、期間限定のさくら味とか、やた…